ベートーヴェン学術実践研究会

研究会開催日程のおしらせ

BAPS通信 2024年7月9日 Vol.12

BAPSの活動は、ゆったりと徐々に発展していると考えています。しかし、せっかくのこの自由な研究会の学術と実践を融合するという目的への明確な活動ができていないと感じています。ひとえに会長である私の責任と感じています。やはり、発信が足りないこと、また、研究会後のこれからのヴィジョンを示せていないことが原因と分析しています。
 第4回例会は、9月14日(土)に予定しています。今回は、もっと実践に近づき、ピアノ演奏法を中心に私が発表します。他にも現在、発表を募集中です。どうぞ、奮ってご応募ください。心よりお待ちしています。
 さて、6月22日、23日に第22回日本音楽表現学会全国大会で研究発表をしてきました。私の発表は、ベートーヴェンの後期ピアノソナタにおける前打音の研究でした。第4回の本研究会例会では、そのご報告も少しさせていただこうと思います。今回の全国大会での発見は、モーツァルトのK.331の自筆譜が2014年にハンガリーで発見されたという事実でした。この曲は、私自身のレパートリーでもありよく知った作品でしたが、2014年の自筆譜発見のニュースは、恥ずかしながら、知りませんでした。音符も変わっており、音も足されており、今まで親しんだこの曲が、そのことを採用することで、まるで別の曲のように感じてしまい、ショックを受けました。2014年以降に発行されたヘンレ版は、すでにその自筆の情報を取り入れていて、音も変化していました。これらの問題は、かつてのショパン、エキエル版でも発生していて、原典版とは何か?ということと、長年慣れ親しんだ音符たちの変更にどのように対処したらいいのか、悩むところです。
 このように学会でのさまざまな発表をお聞きすることで、新しい知見と考察が生まれ、大変勉強になりました。学会では質疑応答時間も限られ、なかなか突っ込んだお話にならなことが残念ですが、本研究会ではみんなで考え、意見を述べ合うよう時間を取りたいと考えています。
 現在、さまざまな研究者の方に発表の依頼をしていますので、第4回例会、是非、たくさんの皆様にご参加いただきたく、よろしくお願いいたします。
                 
             
深井尚子